SSL/TLSサーバー証明書の有効期間短縮により、
今後は SSL証明書の更新頻度そのものが大きく変わる ことになります。
本記事では、
有効期間短縮によって生じる 更新頻度の変化 と、
従来の手動更新方式と自動更新(ACME)の違い を整理し、
今後の運用の考え方を解説します。
有効期間短縮で「更新頻度」はどう変わるのか
SSL証明書の有効期間が短くなると、
必然的に 更新作業の回数が増加します。
更新頻度の目安
有効期間と更新回数の関係
約1年(398日)
→ 年1回更新
約6か月(200日)
→ 年2回更新
約3か月(100日)
→ 年3~4回更新
約1.5か月(47日)
→ 年7~8回更新
このように、
将来的には 数週間〜1か月単位での更新が必要 になることが想定されています。
手動更新(従来方式)の仕組み
従来のSSL証明書更新は、
人の手で作業を行う 手動更新方式 が一般的でした。
手動更新で必要な作業
主な作業内容
・CSR(証明書署名要求)の作成
・認証処理 メール認証・ページ認証・DNS認証などの対応
・証明書の再インストール
・更新スケジュールの管理
有効期間が1年であれば、
これらの作業を 年1回 行うだけで済みました。
更新頻度が増えると何が起きるか
有効期間短縮が進むと、
手動更新方式では次のような課題が顕在化します。
手動更新の課題
・更新作業の回数が増え、運用負荷が高くなる
・更新忘れ・作業遅延のリスクが増加
・担当者の不在・引き継ぎ漏れが致命的になる
・サイト停止・サービス停止のリスクが高まる
特に、
年に数回〜毎月の更新が必要になる環境では、
手動更新を継続するのは現実的ではありません。
自動更新(ACME)とは何か
ACME(Automatic Certificate Management Environment)は、
SSL証明書の取得・更新を システムが自動で行う仕組み です。
ACMEの特徴
自動更新のポイント
・CSR作成が不要
・認証・更新が自動で実行される
・有効期限を人が管理する必要がない
・更新忘れが発生しない
ACMEでは、
証明書の有効期間が短くなっても、
利用者の作業負担はほぼ変わりません。
手動更新と自動更新(ACME)の違い
更新方式の比較
| 項目 | 手動更新(従来方式) | 自動更新(ACME) |
|---|---|---|
| 更新作業 | 人が対応 | システムが自動 |
| CSR作成 | 必要 | 不要 |
| 認証方法 | メール認証など | 自動認証 |
| 更新忘れ | 起こりやすい | ほぼなし |
| 有効期間短縮への対応 | 困難 | 問題なし |
| 将来の運用 | 非現実的 | 前提となる方式 |
なぜ「ACME前提」の時代になるのか
有効期間が 47日 まで短縮された場合、
手動更新では 年7〜8回の更新作業 が必要になります。
これは、
・個人運営のサイト
・中小企業のWebサイト
・複数ドメイン・複数サーバー環境
のいずれにおいても、
現実的な運用とは言えません。
そのため、
業界全体では ACMEによる自動更新を前提とした運用 が
標準になりつつあります。
まとめ
・SSL証明書の有効期間短縮により、更新頻度は確実に増える
・手動更新方式は、将来的に運用が困難になる
・自動更新(ACME)は、短い有効期間に対応するための前提技術
今後は 「更新作業をしない運用」へ移行することが重要