有効期間短縮時代に考える SSL証明書の選び方
SSL/TLS証明書の有効期間短縮により、
今後は 証明書の「更新方法」そのものが重要な判断軸になります。
こうした中で、多くの方が次の疑問を持つはずです。
自動更新が前提なら、
無料で使える Let’s Encrypt で十分ではないのか?
本記事では、
有料SSL証明書と Let’s Encrypt(無料SSL)を比較し、
それぞれのメリット・デメリット、
どのようなケースに向いているのかを整理します。
ACMEという仕組みは「共通」
まず重要な前提として、
有料SSL証明書と Let’s Encrypt は、ACMEという同じ仕組みを使えます。
ACME(Automatic Certificate Management Environment)は、
SSL証明書の取得・更新を 自動化するための標準仕様です。
・Let’s Encrypt:ACMEに対応(標準)
・有料SSL証明書:ACME対応商品が増加中
つまり、
「ACMEが使えるかどうか」=
「Let’s Encryptか/有料SSLか」ではない
という点は、正しく理解しておく必要があります。
certbot 等が参照する「認証局(CA)」の違い
ACMEクライアント(certbot など)は、
どの認証局(CA)を参照するかによって発行される証明書が変わります。
Let’s Encrypt
→ 無料の認証局(ISRG)
有料SSL証明書
→ JPRS、Sectigo、DigiCert などの商用認証局
仕組みは同じでも、
「誰が証明書を発行しているか」 が異なります。
Let’s Encrypt(無料SSL)の特徴
メリット
Let’s Encryptの強み
・無料で利用できる
・ACMEによる自動更新が標準
・設定できれば運用は非常に楽
・多くのホスティング環境で実績がある
特に、
・個人サイト
・小規模なWebサイト
・検証・開発用途
では、
十分な選択肢と言えます。
デメリット・注意点
一方で、以下の点は理解しておく必要があります。
Let’s Encryptの注意点
・金銭的保証はない
・認証はドメイン認証(DV)のみ
・サポートは基本的に自己解決
・設定・トラブル対応は技術者向け
「無料で自動更新できる」反面、
すべて自己責任で運用する前提のサービスです。
有料SSL証明書の特徴
メリット
有料SSL証明書の強み
・認証局の責任主体が明確
・金銭的保証が付帯
・サポート・問い合わせ窓口がある
・組織認証(OV)に対応
・企業・官公庁・取引先要件に対応しやすい
特に、
・企業サイト
・ECサイト
・取引先・顧客との信頼性が重要なサイト
では、
**「証明書そのものの信頼性」**が重視されます。
デメリット
有料SSL証明書の課題
・費用がかかる
・ACME非対応の場合、更新作業が負担になる
ただし、
有効期間短縮に伴い、ACME対応の有料SSLが増えているため、
このデメリットは今後小さくなっていくと考えられます。
有効期間短縮がもたらす変化
有効期間が短縮されると、
・手動更新は現実的ではなくなる
・自動更新(ACME)が前提になる
という状況になります。
この結果、
「無料か有料か」よりも
「どの認証局の証明書を使うか」
という視点が重要になります。
有料SSLと Let’s Encrypt の比較まとめ
| 項目 | Let’s Encrypt | 有料SSL証明書 |
|---|---|---|
| 費用 | 無料 | 有料 |
| 自動更新 | 可能(標準) | ACME対応で可能 |
| 認証レベル | DVのみ | DV / OV |
| 金銭的保証 | なし | あり |
| サポート | なし(自己解決) | あり |
| 企業利用 | 条件付き | 向いている |
どちらを選ぶべきか
Let’s Encrypt が向いているケース
・個人・小規模サイト
・技術的に自己対応できる
・無料・自動更新を最優先したい
有料SSLが向いているケース
・企業・団体の公式サイト
・取引先・顧客との信頼性が重要
・トラブル時のサポートを重視したい
・組織認証(OV)が必要
まとめ
ACMEという仕組みは、有料SSL・Let’s Encryptで共通
・違いは「認証局」「保証」「サポート」「信頼性」
・有効期間短縮により、自動更新は必須になる
「無料か有料か」ではなく、
「用途と責任範囲で選ぶ」ことが重要
次の記事では、
これらの前提を踏まえたうえで、
ssl.jp における SSL証明書の販売・料金・提供形態について
ご案内します。